025.現場に立って初めてわかったこと。マレーシア出店で学んだ「投資」と「当事者意識」

今回は、マレーシアでのうなぎ屋プロジェクトに実際に関わる中で、僕自身が強く感じた学びについてお話ししました。前回はオープンまでの経緯をお伝えしましたが、今回は「現場に入ってみて何を思ったのか」「投資する立場として何が求められていたのか」という、よりリアルな部分です。

正直に言うと、最初は「お金を出資する=それで役割は終わり」という関わり方もできたと思います。でも、実際にゼロから飲食店を立ち上げていく社長の姿を間近で見て、その考えは大きく変わりました。日本でも10店舗以上を展開している社長が、今回のマレーシア出店ではマネージャー任せにせず、自ら現地に入り、朝から晩まで厨房に立ち続ける。営業終了後も業者との打ち合わせ、日本とのオンライン会議が続き、ほとんど眠れていない。立ち上げ期というのは、最終判断をできるのが社長しかいない以上、どうしてもそうなるのだと痛感しました。

そんな中で、僕自身は「じゃあ自分は何ができるんだろう?」と考えました。最初は正直、自分にできることが見えなかった。でも2週間現地に入ると決めて、社長の動きを見ながら考えた結果、「社長がやらなくていい仕事」を引き受けることが、自分の役割だと思うようになりました。メニュー表や店内POP、チラシ、簡単な販促物の作成。デザイン経験はほとんどありませんでしたが、AIやツールを使えば形にはできる。そう判断して、そこは全部自分がやると決めました。

特に効果的だったのが、お客様アンケートの活用です。多民族国家であるマレーシアでは、言語ごとに感じ方が全く違う。その結果を数字で可視化することで、「どの国の人が、何に満足していて、何に不満を感じているのか」が一目でわかりました。例えば、日本人には好評な出汁巻き卵が、マレー系のお客様には「味が薄い」と感じられている。そうした声をもとに、夜中でも社長がその場で判断し、翌日から味を変える。このスピード感は、現場に社長がいるからこそ可能なものでした。

また、中華系のお客様からは「おつまみや単品メニューが欲しい」という声が多く、そこから一品料理をどんどん増やしていく流れも生まれました。日本のうなぎ専門店という軸は保ちつつ、現地の食文化に合わせて柔軟に変えていく。その試行錯誤の連続が、まさに立ち上げ期の醍醐味だと感じました。

この経験を通して強く思ったのは、海外出店に限らず、何かを成功させるために一番大事なのは「行動力」と「スピード感」、そして当事者として現場に入る姿勢だということです。ただ投資するだけではなく、データを集め、判断材料を整え、「イエスかノーか」を即決できる状態を作る。その積み重ねがチームを支え、結果につながっていく。大変だけど、文化祭のように楽しく、学びの多い2週間でした。

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024.ご縁から始まった海外挑戦。マレーシアでうなぎ屋を開くまでのリアルな2か月

今回は、僕自身にとっても本当に驚きとワクワクに満ちた海外プロジェクトについてお話ししました。11月1日にマレーシアでうなぎ屋を始めることになったんですが、実は始まりは、蒲田のイタリアンで飲んでいた、ほんの何気ない時間だったんです。

そこには、日本で複数店舗を展開するうなぎ屋さんのオーナーさん、日本企業のマレーシア進出を支援している方、そして僕と友人が集まっていました。海外で飲食店を出すとなると、物件探し、人材確保、法人設立など、リスクもコストも非常に大きい。正直、簡単に挑戦できるものではありません。ところが、その進出支援の方が「お試し出店」という仕組みを持っていて、すでに借りている場所やスタッフを使い、一定期間だけ海外出店を試せるという話を聞いた瞬間、空気が一変しました。

「うなぎ、絶対に相性いいよね」マレーシアには日本人だけでなく中国系の方も多く、うなぎは人気の高い食材。そんな話で一気に盛り上がり、その場で「まずは行ってみよう」と決断。9月頭に4日間、全員で視察に行くことになりました。思い立ってから、わずか1週間後の行動です。

実際に現地で、日本食レストランや居酒屋、うなぎを扱う店を巡り、試食し、空気を感じる中で「これはいける」という感覚を掴みました。そこからは怒涛の準備期間。僕はパートナーとして出資しつつ、「自分にできることはすべてやる」と決め、2か月足らずで11月1日のオープンにこぎつけました。このスピード感は、今振り返っても特別なご縁を感じます。

さらに今回の挑戦を通して強く感じたのが、イスラム圏という巨大な市場の可能性です。世界人口の約4分の1を占めるイスラムの方々に向け、日本食をどう届けるか。ハラル対応の日本食がすでに大きなビジネスになっている事例もあり、今回のマレーシアでのうなぎ屋は、インドネシアなど他のイスラム圏へ広がる第一歩だと考えています。

海外を見ると、夢は一気に広がります。もちろん簡単なことばかりではありませんが、だからこそ面白い。これからも定期的にマレーシアに足を運び、現地の課題に寄り添いながら、僕自身が何を提供できるのかを学び続けていきたい。そんな今の率直な想いをお話しした回です。

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